お金のせいで教育を受けられないのは悲しい

2016.11.28

私は、貧困家庭の中で育ちました。家庭内での嫌悪や葛藤などを感じながら、青春時代を過ごしました。
それでも、私は、東京都立大学に行くことができました。年間30万円程度の学費を全額免除してもらい、育英会のⅠ種奨学金をもらえたからです。

1980年代の話です。大学での成績は、5段階で平均3.5程度で、高校での成績は、10段階で平均6程度だったと記憶しています。
今思うと、東京都は、成績が特に優秀でもない自分に対し、よく学費を免除してくれたなぁと感謝感激しています。都民や市民には、足を向けて寝られません。
おかげさまで、明るく人生を生きられるようになりましたし、少しは一丁前なことを口にできるようになりました。

現在、給付型奨学金制度が議論されています。
貧困家庭の子どもは、塾や予備校にも行けませんから、学校で良い成績をとるのは困難です。成績の良し悪しだけを基準に給付型奨学金の受給資格を考えるのは疑問です。
頑張ろうとしている子ども、努力しようとしている子ども・・・がお金のせいで教育を受けられないのは、とても悲しいことです。
給付型奨学金制度を作る際には、この点をよく考えてもらいたいと望んでいます。

埼玉奨学金問題ネットワーク
会員 弁護士 小林哲彦
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