俺は頑張って返した!

電通の過労死事件が話題になった時、ネットでは「俺はもっと残業してた!」等の意見が一部で見られました。これらの意見が問題の解決に役に立たない事は言うまでもありません。

一方、貸与型奨学金の返済に対し、「俺は頑張って返した!」といった反応も見られます。これらの意見が現に返済に困っている人、これから返済に困るであろう人の問題の解決に役に立たない事は言うまでもありません。

さらに60代の方が学生の頃であろう昭和50年の学費平均は、国立大で年4万以下、私立大で約18万円でしたが、2014年では国立大で約54万円、私立大で約87万円と大幅に増加しています。
一日に働ける体力・精神力は変わらない一方、返済額は大幅に増加しているわけですから、上記意見はますます的外れと言えましょう。

一方、下記のような意見については、正しいなとも思う部分はあります(個人の意見として)。

学費が高すぎるのが問題だから無償化すべきだ。 
収入格差≒学力格差問題への対策については、より投資効果の高い幼児期教育に力を注ぐべき(大学時点では手遅れだからやめろ)。
貸与型と知りつつ借りたのだから自己責任である。

とはいえ、これらの意見は、貸与型奨学金の返済に現に困っている人や、これから困るであろう人の問題解決にはつながらないという点では変わりません。
給付型奨学金の導入は、これから困る人の数を減らすことが出来るという点で解決策の一つであることは間違いないと思います。
もちろん、それだけでは足らないことも間違いないですが。

埼玉奨学金問題ネットワーク
会員 司法書士 鈴木友治
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