【質問】
大学時代に日本学生支援機構から奨学金を借りましたが、現在返済ができず延滞しています。
延滞するとブラックリストに載ると聞いたことがあるのですが、ブラックリストとはどのようなものなのでしょうか。
【回答】
いわゆる「ブラックリスト」とは、個人信用情報機関に事故情報が載せられた状態のことをいいます。
そして、個人信用情報機関とは、ローンやクレジットカードの支払い延滞や破産した場合などの個人信用情報を「事故情報」として登録し、その情報を金融機関が参考にして、消費者(借主)への過剰貸付(多重債務)の防止や審査事務の迅速化を図るための登録機関です 。
個人信用情報機関に延滞者として登録される(=ブラックリストに登録される)と、クレジットカードが発行されなかったり、利用が止められたり、自動車ローン及び住宅ローン等の各種ローンが組めなくなる場合があります。
信用情報機関には、次の3つの機関があり、延滞などの一部の信用情報は信用情報機関の間で共有されています。
1,クレジットカード会社が加盟する「株式会社シー・アイ・シー(CIC)」
2,消費者金融が加盟する「株式会社日本信用情報機構(JICC)」
3,銀行や信用金庫、信用保証協会などが加盟する「全国銀行協会(全国銀行個人信用情報センター・KSC)」
日本学生支援機構は、平成20年11月に全国銀行個人信用情報センター(KSC) に加盟しています。
日本学生支援機構の奨学金を利用するには「個人信用情報の取扱いに関する同意書」の提出が必須となっており、延滞3か月以上の場合に個人信用情報機関に個人情報が登録されます。
一度登録された情報は、延滞を解消しても登録され続け、返還完了の5年後に削除されるとされています。
信用情報機関には、開示請求の手続による「本人開示制度」があり、自分が事故情報に登録されている(ブラックリストに載っている)かどうか確認することができます。
司法書士 安野憲起