延滞金をなくすことはできますか?

埼玉奨学金ネットでは、平日毎日お電話による奨学金のご相談を受け付けていますが、日本学生支援機構奨学金の返済に関する相談の中でも多いのが一度延滞してしまった方からの「延滞金をなくすことはできますか?」というご相談です。

機構には、「延滞金減免」という制度がありますが、これは本人の死亡等が条件となっており、なかなか条件を満たすことが難しいのではないかと思います。他方、法的な処理として自己破産がありますが、これを躊躇される方もいらっしゃいます。

そこで、「過去に遡った返還期限猶与」が利用できるかどうかを検討してみる余地があります。「返還期限猶与」とは、返還困難時の機構の救済制度で、傷病、災害、生活保護受給中、経済困難(年収300万円(税込)以下)などの事情がある方は、奨学金の返済を先延ばしにすることができ、猶与が認められている期間は延滞金が発生しません。

猶与が利用できる期間ですが、傷病、生活保護受給中等の場合は、その期間に上限はないのですが、経済困難を理由とする場合は、上限が10年と決まっています。

この猶予制度は、基本的にはこれから延滞する可能性のある方が延滞を避けるために利用する制度ですが、一度延滞してしまった方が過去に遡って利用することも認められています。例えば、何らかの理由により過去2年分延滞してしまった方でも、その過去2年分について年収300万円以下であり、かつ、これを証明する公的書類(課税証明書または非課税証明書)が用意できれば過去2年分について返還が猶与されたことになり、従って、延滞金も発生しなかったこと(つまり延滞金がなくなる)になります。

ここで問題となるのが、課税証明書または非課税証明書の取得です。これは各市役所等で取得することになりますが、自治体によって差はあるものの、多くの自治体では過去5年分しか発行してくれません。

ですので、例えば、6年分を延滞している方の場合、5年前から6年前の1年分については証明書を提出できず、その1年分のみは返還期限猶与を利用できないことがあります。この場合、その1年分の延滞金を一括で支払わなければ直近5年分の猶与もできないという運用を機構がしていますので注意が必要です。

長くなりましたが、結論から言えば、機構奨学金を延滞してしまったとしても、延滞が5年以内であり、その期間中猶与の条件を満たしていれば延滞金を全額なくすことができる可能性があります。

他方、それ以外の場合であっても、延滞金をなくせることもあります。実際、私が代理人として担当した事案では5年以上遡って猶与が認められました。

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埼玉奨学金ネット
事務局長 弁護士 鴨田譲
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