2つの顔

日本のいわゆる「奨学金」には「入口」と「出口」の2つの顔がある。
入口では、一人一人と向き合い、これで進学し前に進める。その思いで送り出す。
入口では出口のことは分からない。
実際に起こっていることも知らなかった。

最近、出口での問題を指摘する「怒り」が聞こえる。
入口でも出口のことも伝える必要を認識するようになった。

出口の顔は出口を出た人の一歩前にいつもいる。
そして、「滞納」と同時に一斉にあるいは順番に振り返る。
いずれも債権回収の専門家である。
個々の事情と向き合う姿勢は感じられない。
出口を出終えるまでに永い負担となる。

出口の顔に入口と同じように一人一人と向き合う顔を配置することを期待するのは無理なのだろうか。
このままでは進学をあきらめる生徒も増える。
社会の損失だ。

奨学金問題は、生徒や保護者だけの問題ではない。
社会全体が考えなければならない課題だ。

埼玉奨学金ネット
事務局次長 司法書士 安野憲起
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